ぜいたく病

 まずは、下記の問診で自己診断してみましょう。
2回以上の急性関節炎の既往歴がある
24時間以内に炎症がピークに達する
単関節炎である
関節に発赤がある
第一中足趾関節の疼痛または腫脹がある
第一中足趾関節の病変がある
片側の足関節の病変がある
痛風結節(確診または疑診)がある
血清尿酸値の上昇がある
10 X線上の非対称性腫脹がある
11 発作の完全な寛解がある
  以上の項目のうち、6つ以上あてはまった方は、ぜひ続きをお読み下さい。

 冒頭に挙げた問診は米国リウマチ学会が定めた診断基準で、6つ以上の項目に該当すると、痛風の可能性が高いといわれています。

 ある日突然、足の親指のつけ根に激痛が走り、たちまち赤く腫れて、ほんの少し動いたり、近くを車が通り過ぎる音さえも足に響く。字のごとく「風があたっても痛い」病気が痛風です。
 しかし、これほど耐えがたい激痛も一時的なもので、長くても1〜2週間しか続きません。その後は何事もなかったかのように痛みが治まることがほとんどです。しかし、そこで「あれ?治った!!」と喜んではいけません。発作が治まったからと言ってこの病気が改善されたわけではないのです。痛みがなくても症状が進行中ということがあるので注意が必要です。

 かつて、痛風は「ぜいたく病」とも言われたように、1960年代以降、高度経済成長とともに日本人の食生活は野菜や炭水化物中心から、高たんぱく、高脂肪、高カロリーへと変化し、それに併せるかのように痛風患者も増加していきました。以前は40代、50代の男性患者が多かったのですが、現在では30代の患者が最も多く、20代でも痛風患者が増加しているのです。今では、特別贅沢をしていなくても発症する生活習慣病となってしまいました。現代の日本が、いかに豊かで贅沢な社会になったかを象徴する病気の一つともいえるのではないでしょうか。

 痛風発作は夜中から朝方にかけて襲ってくることが多いようです。夜寝ようとする時に「おや、足の指がピリピリするような・・・」と、違和感を覚えることがあるとすれば、実はそれが発作のサインなのです。でも大抵の場合「まあ、いいや」とそのまま寝てしまいます。ところが深夜に激しい痛みを感じて飛び起きます。とても眠れない痛さなのです。

 この痛みを軽くする応急措置として以下のようなものがあります。

患部を冷やす
関節に炎症が起きている状態なので、とにかく冷やすことです。氷や水、湿布などで熱を持った患部を冷やしましょう。
患部を心臓より高くする
患部を心臓の位置より高くすることで静脈のうっ血を防ぐ事ができます。こうすると痛みが和らぎます。
安静にする
患部を動かさずにじっとしているのが一番です。歩きまわったりマッサージなどをするとますます痛みが増してしまいます。
なるべく早く受診する
もっとも楽になる方法はなるべく早く医師の診察を受け、症状を和らげる治療を受ける事です。

 食生活と深い関わりのある痛風は、血液中に「尿酸」という物質が増えることによって起こります。正常な尿酸の基準値は、男女共に7.0 mg/dl以下 です。健康診断や人間ドックの血液検査で血液中の尿酸値を測ることができます。
  尿酸は、健康なときには液体に溶けた形で存在していますが、これが過剰に増えてしまうと針状の結晶になって体のいろいろな場所に沈着し、とくに関節などに沈着した場合に激しい痛風発作を起こすのです。体内に尿酸という物質が異常に増えた状態を高尿酸血症といいます。尿酸とは体内でプリン体という物質から新陳代謝によって作られた、いわば体の老廃物です。この尿酸は通常尿などとともに体外に排泄されます。


痛風の主な原因として以下のようなものが挙げられます。
  ①食生活の乱れ、大食い
  ②お酒の飲みすぎ
  ③過度のストレス
  ④激しい運動をしたりサウナに入ったりして、大量に汗をかく
  (かといって、運動不足や肥満はかえって痛風を引き起こす原因になるので、軽い運動をするのが最も痛風の
  予防に効果的です。)
 上記①②の暴飲暴食は、上図※1の段階でプリン体を過剰に摂取してしまい、体内の尿酸を増やすことになります。また、③④は上図※2の段階の分解、排出機能を低下させるため、尿酸が体内に溜まってしまいます。
 この他に、痛風患者の20%は親や兄弟、親戚に痛風の人がいることから、遺伝的な要因も考えられています。

 激痛との闘いはとてもつらいものですが、痛風はそれほど恐ろしい病気ではないようです。痛風が直接の原因で死に至ることはありません。現代の医学では痛風について解明されており、尿酸改善薬も開発されています。発見しやすく、治療もしやすい病気なのだそうです。痛風を発症したら、速やかに医師の診断を受けましょう。きちんとした治療と生活習慣を続ければ治る病気なのです。

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